おもろい人生の設計図【一橋受験編】

おもろい人生を歩みたい筆者の日記帳。一橋大学社会学部を受験します。

魅力的な人間になりたいんだ

魅力的な人間になりたい。そんな願望を抱き始めたのは、いつ頃からだっただろう。



小さな頃から、環境には恵まれていた。文化的素養のある祖父の書斎で歴史書をおもちゃにして遊んだ幼稚園時代。



その後幼稚園の卒業を待たずに父の仕事上の都合もあり渡米。週末は日本語能力を身につけるために補習校に通いながら、現地のエレメンタリーを卒業した。



エレメンタリーでは成績優秀者としてのリストに何度も載り、所属していた演劇部でも、言語の壁を乗り越えるべく努力していた。



お世辞にも上手いとはいえなかったが、、、



さて、過去の中の過去の栄光の話はもういいだろう。ここからは養老の滝並みの急降下だ。



その後日本に帰国し、公立の小学校に編入。そこで「空気を読む」文化の洗礼を受けた私は、もはや私ではなくなっていた。



仲間外れにされるのが怖かった。悪口を言われるのはもう嫌だ。馴染まなきゃ、馴染まなきゃ、馴染まなきゃ、、、。



埋没していくのを感じた。心地よかった。



中学から始めた部活では同級生たちと馴染めず精神的に孤立。埋没したんだろ、自分を隠してるじゃないか。それなのになんで。



僕は、自分を殺した。



それから3年が経った。精製されたのは空気のような、そんなありきたりな言葉でしか表現できないような中学生。



自分の好きなものも嫌いなものも忘れてしまった。一度笑顔を作ると、顔が引きつって元に戻らなくなる。



自分の意見を腹パンでKOして人に同調しているうちに、自分の意見さえもなくなった。



転機は中3のおわりに訪れる。大学受験という世界への出会いだ。



それは逃避でもあり、だか確かに、挑戦であった。



東大に行けば世界が変わる。その言葉に、私は無性に引き付けられたのだ。



部活をやめた。一人になった。



もう、合わせる人はいない。自分と向き合うしかないんだ。




だが、事はそう上手くはいかない。自分にしたいことがわからないまま、受験勉強に突入して行くことになるのである。



模試を受けた。偏差値は27.5だった。僕は決めた。よし、東大を受けよう。



それから2年半、そんな同期で勉強し続け、学力は向上し続けた。だが、高3の夏休み、急に勉強ができなくなる。



あれ?俺、なんで東大に行きたいんだっけ??



その瞬間、全てが壊れた気がした。



残されたのは、何者でもない自分と、大量の参考書だけ。友達も恋人もいない。



なんだったんだ。目の前が真っ暗になった。



自分がこの先何者にもなれない未来が見えた。死にたくなった。消えたくなった。もうこのまま、明日なんて来なければいいのに、本気でそう思った。



必死で資料を漁った。やりたいことがほしくて、好きなことがほしくて。



でも、心の奥底ではわかっていた。好きなことなんてのは、探すものじゃない。やりたいことなんて、作るもんじゃない。



あるものなんだ。



自分に素直に行きていこう。



俺は、楽しく生きたい。楽しく生きられればそれでいいんだ。それが、僕の生き方なんだ。そう思った。



志望校は、面白そうな内容で選ぶ事にした。



都市工学だ。



進学する事に後悔する事はあるだろう。だけれど、その時納得できる道を進むことが、今できる唯一の方なんじゃないかと僕は思う。



僕は、一橋に行く。